雨の日に、キミと一緒に創るエロ。


  「・・・ワタシには才能がない。 だから、努力するしかない。 やりたいシゴトをするには、遠回りしなきゃ出来ないの。 もう少しだけ目を瞑って下さい。 お願いします」

 千秋がテーブルに頭が付きそうなくらいに首を折り曲げた。

 「・・・・・・」

 千秋の父親が、複雑な表情で千秋を見つめる。

 千秋の気持ちは伝わっただろうか??

 「・・・帰ろう、母さん」

 千秋の父親がジャケットの胸ポケットから財布を取り出し、そこから10,000円札を3枚抜き取るとテーブルに置いて立ち上がった。

 「今日はワタシが「そんなシゴトで稼いだお金で飯など食いたくない!!」

 テーブルに置かれたお金を父親に返そうとする千秋の手を振り払うと、千秋の父親は店の外に出て行ってしまった。

 千秋の気持ちは、父親に伝わらなかった。

 「お父さん!!」

 千秋の母親が後を追おうと立ち上がる。

 そんな母親の鞄に、千秋が30,000円をねじ込んだ。

 「行って、お母さん」

 そう言うと、オレにチェックの合図をする千秋。

 千秋は、困った顔で店を後にする母親を横目で確認すると、泣きそうな顔をしながらクレジットカードをオレに手渡した。