「・・・芽も出ない。 結婚もしない。 挙句、コレか・・・。 向かいの家の園子ちゃんは、オマエと同い年なのに、結婚して立派に3人も子ども育てているというのに」
溜息を吐きながら、漫画とは関係のない『結婚』を引き合いに出して千秋を追い込む千秋の父親。
「・・・ごめん」
千秋が更に深く頭を下げた。
・・・何で謝ってんの?? 千秋。
何でちゃんと言わないんだよ。
努力してたじゃん。 頑張ってたじゃん。
千秋に、腹が立った。
「もう少しだけ、頑張らせて下さい」
頭を下げ続けて父親に懇願する千秋。
「周りに迷惑をかけながらシゴトをする事に、オマエは抵抗がないのか?!」
再び大きな声を出しては我に返り、周りを気にする千秋の父親。
千秋の父親はきっと、とても真面目に生きてきた人で、だから世間体がすごく気になってしまうタイプなのだろう。



