「コースどうする??」
「5・・・イヤ、7・・・奮発しよう!! 10,000円コースで!!」
千秋がぎゅうっと両目を瞑り、1番高いコースをオーダーした。
支払いは千秋がするらしい。 だったら・・・。
「7,000円コースでも、充分豪華だぞ??」
相当無理をしている様に見える千秋に、1つ下のコースを提案。
「イヤ、10,000円コースで。 折角田舎から親が来るって言ってるんだから、ケチケチしたくない」
それでも千秋はコースを変えなかった。
仕事関係じゃなくて、両親と食事なのか・・・。
千秋、割と見栄っ張りだな。 まぁ、親想いとも言うか。
「・・・しかし、急にどうしたんだろう」
千秋がフォークをくるくる回してパスタを巻き上げながら首を傾げた。
田舎の親が、娘に理由を言わず上京って・・・。
千秋お得意の、よく漫画でお目にかかるアレじゃね??
『見合い話』じゃね??
・・・千秋が見合い。
そしたら田舎帰っちゃうのかな??
漫画は田舎でも描けるしな。
「あー!! やばい!! ハズレないなー。 うーまー!!」
千秋が目の前で、今日も幸せそうにパスタを食っている。
もう、千秋がパスタを食いに来る事もなくなってしまうのか??



