「篠崎さんって、少女漫画の畑の方だったんですってね」
流山先生が、早速プリンをスプーンで掬い、口に運んだ。
もともとプリン好きなのか、ワタシが買ってきたプリンが相当美味しかったのか分からないが、『うんうん』と頷きながら手に持ったプリンを愛でる流山先生が、可愛くて仕方がない。
「あ、ハイ。 担当に聞いたんですか??」
「うん。 きっと、エロ漫画なんか描きたくないんだろうなー、だから描けなくて困ってるんだろうなーって思ったんだけど、違うね。 篠崎さんが描いた絵、メールで送ってもらって見たんだけど・・・クックッ。 面白かった。 なんてゆーか、一生懸命さは伝わった」
流山先生がワタシの絵を、思い出しては笑う。
担当のくそばか野郎め。 いつの間に写メって送りやがったんだ。
流山先生が笑い過ぎて、なかなかプリンを口に入れられない状態になっているじゃないか!!
「確かに、ワタシの描きたい漫画は少女漫画です。 でも、こっちのシゴトも大事だって、最近気づかされまして・・・。 流山先生は、初めから青年誌で描いてらっしゃいますよね??」
「うん。 僕、えっちな漫画大好きだもん。 僕はねぇ、多分世界で5本の指に入るだろう、エロ妄想おじさんだよ」
見た目素敵オジサマな流山先生が、サラっととんでもない事を言い出した。



