彼のお母さんには申し訳ないと思ったけれど、私は――


彼の初めての女(ひと)になった。




不器用ながらも一生懸命な彼に、身体も心も揺さぶられ、私は見苦しいほどに乱れ、何度も達したのを覚えている。




事終えた後も、彼は私をぎゅうと抱きしめたまま、ちっとも離れようとはしなかった。


だから私も、彼の背中に腕を回して、愛しさを抱き締める。



「すごく良かった。ありがとう」

ありのままの気持ちを伝えたら、


「どうして先生がお礼言うの」

ほんの少し不満げに、でも照れ臭そうに笑った。



屈託ない笑顔に不似合いな、バレーボールで鍛えた逞しい身体。


けれどもそんな彼に私は、気が狂いそうなぐらいに惹かれてしまって。

いけないとわかっていながら、彼に溺れていくのを止められなかった。