彼は、私の身体を余すことなく愛してから、中に入って来る。


すでに私の意識はどこか遠くへ。

朦朧とした思考は快楽で埋め尽くされ、我をも忘れてそれに没頭する私は、呆れるほどに惨めだ。



「ねぇ、声……もっと……」

荒い息遣いの合間に、彼が囁く。まるで幼い子どもみたいな片言に、身体が益々熱を帯びる。



悔しいから、手の甲で口を塞いで耐える。

けれど彼はそれを優しく剥がして自分のうなじへ運ぶ。




「ねぇ、良くない? いいなら声、聞かせて。我慢すんなよ――



――先生」



未だにそう呼ぶ彼も、

死ぬほど嫌い。