「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

膝を抱えた腕にぎゅうっと力を込めて、そんなことを考えていると、ギシッとベンチの古木が軋む。と同時に、誰かが隣に腰を下ろした気配を感じた。


恐る恐る顔を上げれば、どうしてだか泣きそうな顔で米山が私を見ていた。



私は私で、どんな顔をすればいいのかわからず、逃げるように視線を逸らし、また膝を抱えた腕の間に顔を戻した。



「さっきは……ついカッとなって、キツい言い方して悪かった」

随分と穏やかな声音で、米山は謝った。



「『キツい』なんてもんじゃなかったし」

顔を埋めたまま、くぐもった声で言い返した。


悪いのは私だ。米山が正しい。そんなこと、充分過ぎるほどわかっている。

それなのに米山を責める私って、相当幼稚だ。



でも米山はただ「うん」と、小さく頷いた。そして、ゴソゴソと布の擦れる音が聞こえ、ふわり、私の身体が何かにスッポリ包まれた。