「はぁー……」
施設の自転車置き場横のベンチに腰掛けた私は、大きな溜め息を吐き出した。
勢いに任せて、仕事を放って抜け出て来ちゃったけど、結局帰ることもできず。
と言うか、それより何より、まずはロッカー行くだろ、普通。
どうして外なんかに来ちゃったんだろう。
しかも、ユニホームの半袖ポロシャツ一枚しか着ていないという……。
頭の中がチンチンに沸騰している時は感じなかったけど、段々気持ちが落ち着いてくるにつれて、冬の低温が肌を刺す。
ベンチの上で、折った膝を胸に抱き締めてめてうずくまった。
このまま眠ったら、凍死しちゃうかなぁ……。
それでもいいかなぁとか思ってしまう。
この寒さじゃ、どれだけ頑張ったって、眠りこけるなんてこと不可能だけど。
顔を両腕の間に突っ込んで、目を閉じてみた。
うーん……。やっぱり寒い。というか全身がヒリヒリと痛い。身体もガクガク震え出しちゃったし。
どうしよう。戻ろうかな。戻ってシレーッと仕事の続きしちゃおうかな。



