「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

「言い訳なんかすんなよ、みっともねぇ」


フッと視線を落として、伏し目がちにボソリとこぼされたその言葉が、私の胸に深々と突き刺さった。


激しい痛みを感じて、咄嗟に右手で自分の胸元をキュッと握った。



余りのショックに頭の中が混乱して、真っ白になって。


「意味わかんない。私だって自分なりに一生懸命真面目にやってきたつもりだよ? 『つもり』じゃない、やってきたよ。なのに何? そんな風に一方的に責めて。酷くない?」

何も考えずに、無我夢中で言い返していた。



視界がみるみるうちに霞んで歪んで。米山の顔も輪郭が辛うじてわかる程度だ。もう、どんな表情をしているのかわからない。



堪え切れずに逃げ出した。

米山の横を擦れ違うようにして通り過ぎ、リネン庫を飛び出した。



もう辞めてやる。


私にはこの仕事は向いていない、米山はきっとそう言いたいんだ。

だから、辞めてやる。



エレベーターを待つのももどかしくて、非常階段へ直行した。緑色に光る表示の下の、分厚い鉄扉を押し開けて、階段を一気に駆け下りた。