「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

ようやく、ぼんやりだけど解って来た。

私が自分の都合だけで、入居者さんたちのお風呂に入る時間とかを決めているって、米山はそう言いたいんだ。


私を――

――責めているんだ。



「介助は、お前が出来る時にやればそれでいいのか? 入居者さんの生活は? そんなもん関係ねぇか? たまたま居合わせて、手が空いてたらやればいいか? それじゃあ、ただのその場しのぎだろ? いらねぇわ、そんなの」



米山は私を真っ直ぐ見据え、そうしたままピクリとも動かない。


こんな米山、初めて見た。

悔しそうな、泣きそうな……何とも言いようがない悲痛な顔だ。


多分、もの凄く怒っているんだと思う。



米山を怒らせてみたいなんて、ほんの少しでも思ったりした私はバカだ。


本気で怒った米山は、とてつもなく恐ろしい。



「どうして? どうしてそんな風に言われなきゃなんないの? 確かに、さっきのアレはいけなかったと思うよ。花恵さんにも申し訳ないことしたって思ってる。でもそれは、志賀さんがちゃんと伝えてくれなかったからで……」