「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

上部の階表示を何となく見上げ、数字の点滅が5から4、4から3へと移り変わるのを呆然と眺めていた。



「おい」

米山の冷ややかな声に、ビクッと身体が跳ねた。振り返れば米山が、しかめっ面のような、困っているような、そんな複雑な表情で私を見ていた。



「ああ……」

思わず、溜息のような声がこぼれ出た。



それ以上は何も言わず、ただ黙って私を見詰めている米山の顔は、どこか不安げだ。それが私には呆れているようにしか見えなくて。


米山にこんな顔をさせてしまった自分の失態が恥ずかしくて、今すぐこの場から消えてなくなりたいって本気で思った。



でもでも、そんな願いは叶うはずもなく。ただ私は、引き続き任務を遂行するしかない。



身を少し屈めて、車椅子に座っている花恵さんに声を掛けた。

「花恵さん、ごめんね。一度お部屋に戻って休みましょうか」


コクリ、丁寧に頷いた花恵さんは、いつも通りの穏やかな笑顔。