「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

要はこれ、『酔った勢いで、ついうっかりヤっちゃったけど、今まで通りただの同僚でいましょう』宣言だ。


セフレにさえなれないのか……。

……って、ちょっと待て。私ってば、自分のことを好きでもない米山に、また抱かれたいなんて思っている?


イタタタタ……。イタ過ぎるじゃん、惨めなほどに。



頭の中で自分の残念さに凹んでいると、また米山が話し始める。


「お前、後悔してんだろ?」

米山は座っている椅子の、股の間から覗く部分に両腕を突き立て、ほんの少し前のめりになった。そうして私の顔を横から覗き込む。


チラリ、そんな米山を横目で見やり、

「してないよ。後悔してんのは米山の方でしょ?」

と逆に聞き返してやった。


驚いたように白々しく目を見張る米山が、心底憎らしいと思った。