「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

米山ってほんっと、口が減らない。ああ言えばこう言う。



そういうところが堪らなく好きな私だけども……。



枕が臭いぐらい、バッチコーイですから。

というか、過剰反応しちゃっただけで、よくよく思い返してみれば、そんな言うほど臭くなかったし。


シャンプーの匂いに混じって、ほんのり汗の匂い……というか、米山の匂いがしただけだし。



そんなのも全部、愛しいとさえ思ってしまう。


それぐらい――

米山のことが好き。大好きだ。ほんと、嫌になる。



私もゆるゆると身を起こし、振り返りざま米山に向かって、その枕を投げつけた。難なくそれを両手で受け止めた米山に、

「今日、やっぱ泊めて。帰るのめんどい」

とんでもない我儘を、勢いだけで言い放った。



「それが人に物を頼む態度かよ」

ボソリとこぼして、だけども米山は、ふわっと優しい笑みを見せた。