「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

米山はそうっと。

まるで割れ物でも扱うみたいに大切そうに、私をその場に押し倒した。



「どっちで試せばいい? こっち?」

米山に尋ねながら、人差し指で自分の唇に触れる。


「それとも、こっち?」

今度はそれを下に向けて、下半身を指差した。



米山はフッと空気を漏らして笑い、

「んなもん当然……どっちもだろ」

私の耳元で小さく呟いた。


そして、その唇が私の額にそっと触れる。



額かよっ! と早くも不完全燃焼状態。

けれど、そんな不満を知ってか知らずか、米山は私をぎゅうっと抱き締めた。


苦しいぐらいにキツく……。



米山の顔は私の左肩の上だから、どんな表情をしているのかわからない。


このまま何もせずに終わったりしないよね?

モヤモヤと次第に湧き上がる不安。



米山が動き始めるのを待つしかない私は、ほんのり掛けられた圧に、ひたすらじっと耐える。