「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

「笑うな」


「ごめん。で? 米山、フラれちゃったの?」


「何でそうなるよ? 『浮気』って言ったろ? ちゃんと戻って来たわ。けど俺は――


――許せなかった」


いつもの無表情に、ほんのり影が差したような気がした。



こっからは重いぞ、なんて。軽口で変な前置きをしてから米山は続けた。


「その一か月後ぐらいだったかな、彼女、眠剤大量に飲んで……。俺が駆け付けた時は意識混濁状態で、『ツバメが飛んでる』とか何とか、訳わかんねぇこと繰り返してて」

俺のせいだよな、と続けて泣きそうな顔で笑うから、こっちまで胸がズキリと痛む。



「彼女……亡くなったの?」


「いや、生きてる。後遺症もなくて、心底ホッとした」


「米山は後悔してる?」


「後悔? 彼女を自殺にまで追い込んだことか?」


「違うって。そんなの米山が後悔することじゃないじゃん。そうじゃなくて、彼女と別れたこと、後悔してる?」


米山は力なく首を左右に振った。