「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

「飲み過ぎんなっつったろーが」

不満げな声が落ちて来て、だけども私の耳の上がそっと優しく撫でられた。



驚いて(でも酔ったふりは続けて)、顔を少し上向け米山を見上げれば、黒目勝ちの艶やかな眼差しが、真っ直ぐ私に注がれていた。



「鼻、デカっ」

照れ臭くてつい、最近はご無沙汰していた決まり文句を口にした。


「うるせぇよ」

すぐさまそう返して、米山はふわっと微笑んだ。



米山とシたい――

そう思った。


女の私が欲情するなんて、ほんと、可笑しいと思うけど。どんだけ欲求不満なんだよって、自分自身に呆れるけど。



あっちぃー、なんて気怠そうに言って米山が、着ているパーカーの後ろ襟を両手で掴み、スルリと脱ぎ捨てた。


黒の半袖Tシャツ。その袖から伸びた筋肉質な腕に、ドクッと心臓が跳ねた。