「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

「俺は独り暮らし」


「えっ? じゃあ、あのお弁当は……」


驚愕の新事実に、思わず声を張り上げた。



「うるせっ」

酷く不快そうに片目をつぶって、米山はボソリとこぼした。



「あんなもん全部、冷食(冷凍食品)だって」


「へぇ、今の冷食って侮れないね」


「ん、結構食える……ってこれ、何の話?」


米山がフッと口元を緩めて笑った。

うわっ、何、この素敵スマイル。年甲斐もなく胸の奥がきゅんって鳴ったし。



「飲み過ぎんなよ。後は自分で帰れな。駅までは送ってくから、徒歩で」


「うん、大丈夫。じゃんじゃん飲みたまえよ、米山くん」


「何、そのテンション? イラッとくる」


毒を吐きながらも米山は笑っていた。



米山の笑顔は――

希少で貴重だから、しっかりと目の奥に焼き付けた。