「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

けれど狡い私は、その勘違いに乗っかることにした。


だって、正々堂々正面からぶつかっていったって、この男は私のものにはならない。だったら、姑息な手段を使ってでも……。



「慰めてよ。米山この前、『慰めてやろうか?』って言ったじゃん。慰めてよ、慰めてよ」


「お前……『慰めて』、何回言うの? うぜぇわ、まじで」


米山は、うんざりだと言わんばかりの大きな溜息を吐き出す。



「何度でも! 駅に着くまでずっと言うから。慰めて慰めて慰めて……」

半ばヤケクソだ。これで嫌われちゃったら元も子もないのに。私ってバカだ。



「わかったから、黙れ」

米山が正面向いたまま吐き捨てた。


「うそ、ほんとに?」

驚いて思わずそんな言葉が口を衝いて出た。



「お前、ふざけてんのか?」

と、米山はそんな私を冷ややかに流し見た。