「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

米山が不意に立ち止まり、「ん」と目の前の車を顎で指す。


ホンダのステップワゴン。一個前の型だ。中古で買ったんだろうか。でも私はこっちの方が好き――

――って、米山は私の好みなんかどうでもいいだろうけど。



助手席に乗り込んだ私は、先ほどの続きに想いを巡らす。


どうしたら、米山を振り向かせることが出来るのか。というか、米山ってどんな女性が好みなんだろう?

童貞じゃないって言っていたから、付き合ったことはあるんだよね。顔はイマイチだけど、素敵男子だもんね、むしろ女の方が放っておかないか。


……などなど。



ゆっくり車を発進させた米山が呆れたように言った。


「そんな凹むぐらいなら、泣き喚いて縋りつきゃいいのに。ひょっとしたらアイツ、心変わりするかもだろ?」


おっと……。凄まじいほどの勘違いだ。

一番肝心なところは見抜いてくれないのだね、米山くん。