「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

ああもう……。


噂になっているのは薄々勘付いていた。でも今まで直球を投げて来る人がいなかったから、それとなーくはぐらかしつつ今日までやり過ごして来た。

それなのに、別れた今になってこんな風に突っ込まれるなんて。



全身の憂いを込めた大きな溜息を吐き出しながら、その場にしゃがんでうずくまった。



「お前、何やってんの?」

ビリッと背中に電流が走る。驚いて顔を上げれば、リネン庫の入口に米山が立っていて、不思議そうにこちらを眺めていた。



「別に何も。あんたこそ、何やってんの?」


「お前がちっとも出て来ねぇから」


「心配してくれたんだ、ありがとう」

嫌味のつもりで言ったんだけど。


「ああ……まぁ……どうもねぇならいい」

素っ気ないけど普通な返し。



「おや? 本当に心配してくれたんだ? 米山くん?」

フンと鼻を鳴らして笑い、立ち上がった。