「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

「さんきゅ、米山」

リネン庫では既に、東郷くんが米山から箱に入った離床センサーを受け取っていた。


米山はその仏頂面を心なしか緩め、軽く会釈をして東郷くんの礼に応えた。



「米山、使えるー」

「黙れ」


またあの威圧感たっぷりな不機嫌顔に戻った米山は、足早にリネン庫を後にした。



感じワルッ!

東郷くんと私、同い年だよ? 私もあんたより年上だよ? なのに何だよ、その態度は……。



「薬師丸さんってさぁ」

私が不快な感情で悶々としているのを気遣ってか、東郷くんが柔らかい声色で話しかけて来た。



「理学の國枝と別れたってほんと?」

そして、天使のような笑顔で地雷を思い切り踏んだ。


悪意のない殺意――

――そんな風に感じた。