「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

三番目の選択肢は、もちろん却下した。今のこの時期に妊娠だなんて、あまりにも中途半端だ。

それに、私は今、考えていることがある。介護福祉士の資格を取りたい。

元の特養(特別養護老人ホーム)に戻りたいってのもあるけど……。浩平に少しでも追い付きたいっていう気持ちがどこかにあった。

病院の仕事は私には向いてない。やりがいを見出せない。雑用ばかりで、実際、私なんか何の役にも立っていない気がする。



何事もなく時は流れ、とうとう新入社員歓迎会の日を迎えてしまった。仕事も早々に片付き、いつものごとく定時にあがる。これで歓迎会に遅刻する理由も失った。

それでもギリギリの時間に会場へ到着すれば、参加者はほぼ勢揃いしており、「米山さん、ここ、ここ!」なんて、若い男性職員に呼ばれちゃったり。


貸切になっているらしい広いお座敷。だけども室内は、大勢の病棟職員でひしめき合っていた。