「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」

米山が不意に視線をこちらに寄越し、ドクッと心臓が跳ねた。



「何?」

米山は不快そうに目を細め、眉根も微かに寄せた。

そんな米山の表情に、何故だか心が折れそうになる。



だけど、

「あんたこそ、何?」

意地になって言い返した。



「別に……」

フッと視線を逸らして、色のついたご飯を食べ始めた。


「私だって別に」

すかさずそう返し、私の野菜ふりかけ返せよ、と心の中だけで叫んだ。



ああ早く、昼休憩終わらないかなぁ……。



その後の沈黙は、言葉では言い表せないほどの気まずさで。

余りの居心地の悪さに、この場から消えたいとさえ思った。


若くないのにね。



けれど米山の方は至って平静で。

歯磨きを済ませると、雑誌を読みながら、すっかりくつろいでいたりした。



この敗北感――

一体何なのでしょう……。