「──ブハッ!」
「!!!」
私の顔を暫し見つめ、突然吹き出す恭ちゃん。
「えっ えっ きょ…恭ちゃ…?」
「…わ……わりぃ……ぷっ…ひでぇ顔だったもんだから、つい…くくくっ!」
「………え」
お腹を抑えながら笑いを堪えていたが、結局我慢できずむせるまで笑っている。
「ひっどいよ恭ちゃん!私もう帰るからねっ!」
「いや悪かったって!でもほら…噛みまくってたし…思い出すと……ぶっ」
「思い出さなくていいよばか!!」
は、は…恥ずかしいぃぃ!!!
さっきまでドキドキで顔が赤かったはずだけど、今は多分羞恥で真っ赤。
逃げるようにブランコから立ち上がり歩き出す私の背後で、同様に立ち上がりまた笑いを堪える恭ちゃん。
ふてくされた顔で軽く睨み付ける私の頭を、笑いながらいつもみたいにポンポンする。
その笑顔と優しい手付きに、怒りはどっかに吹っ飛んでいった。
ていうかそもそも怒ってなんかないんだけどね。
「ごめんなチビ姫」
「…まだ笑ってる」
「くくく……な、なんかツボに入ったみたいで…」
「嬉しい」
「嬉しい? …変なやつだな」
笑いをなんとか治め、私の言葉に目を丸くし、それからまた微笑む。
確かに変かもしれないけど、素直な私の気持ちだ。
好きな人に面白いって笑われて嬉しくないわけがない。
例えそれが、私のどんなひどい顔に対してでも。
…やっぱり恥ずかしいけど。



