「きょ……恭ちゃ…!?」
「…あ…わ、わり…!」
「ぶはぁっ」
パッと開放されると共に、思いっきり息を吸い込む。
───い、今のは……
今のは、一体……!!?
バクバクうるさい心臓と衝突によって痛む鼻を押さえながら、恭ちゃんを凝視。
……え
なんか………
恭ちゃんも真っ赤になってる……!?
夕日に照らされてるせいかわからないけど、確かに顔が赤い。
恭ちゃんは照れるとき、恥ずかしいとき、目を逸らしながら片手で口を押さえるのが癖。
それを今やってるってことは……
照れてるの!!?
状況を理解できないまま、沈黙。
「き…きょ…きょきょ」
「わわわわ悪かった!!」
吃りまくりながら口を開きかけた私に被せるように大声を出す。
「いやなんかよくわかんねーけど……気付いたらって、いうか………ご、ごめん!」
キリッとした眉を歪ませ、顔を赤くしたまま視線を泳がせる。
普段は絶対見ることのできないような焦りの表情で、ひたすら謝り続ける恭ちゃん。
私はただポカンとして反応も取れずにいたけど、段々と整理出来るようになって………
まず始めに戻ってきた感覚、思考は
破裂するんじゃないかと錯覚するほどの激しい動悸と
焦ってる恭ちゃん可愛すぎて死ねる
単純な感想だった。



