恭ちゃんに促され、隣のブランコに腰を下ろす。




キイッと音を立ててブランコが揺れた。




「…で、どうしたんだ?」




…どうしたんだ、って?




地面から恭ちゃんへと視線を移動させると、夕日に照らされながら真剣な顔で私を見ていた。




「ほら、暗い顔してる。雪村に言われたこと気にしてんのか?」



「………うん、まぁ…」



「ゆずらしくねぇな。クラスであんなに言われても気にしないのに」



「それとは違うじゃん…」




全然ちがうよ。



皆はただのおふざけだし。




でも雪村は、核心を突いてるって言うか……




「私、やっぱ恭ちゃんに依存しすぎかなぁ…」



「え?」



「…ちょっと離れた方がいいのかな…」




その言葉に驚いた顔で私を見る。




「何で?」



「何でって… 恭ちゃんも迷惑でしょ?皆にも雪村にもからかわれてさ」



「オレは別に気にしてねーけど」




そう言う恭ちゃんの瞳には、嘘の色は見えない。




でも…



さっき恭ちゃんが言ったあの言葉、




『別に。慣れてるし』




ほんとはめんどくさいってことなんじゃないの…?




…私のこと。