「…あぁ、もー……わかったよ」



「やったー!!大好きー!!」



「い、今くっつくなよ…バカ」



「えっへへー!店員さーん、これお願いします!」



「ったく…」




呆れたような照れたような顔で私を見る。




だから、私も最高ににやけた笑顔で返す。




そうするとほら、



フッて笑って




「今日だけだからな」



1デコピン。



「あだッ」




おでこを押さえて恭ちゃんを見ると、今度は優しい顔で私を見てる。




わあぁぁ……



反則、その顔。




私らしくもなく、恥ずかしくて顔を逸らす。




恭ちゃんの弱点はいっぱい知ってる。



恭ちゃんは私に甘い。



すごく、すっごく。




だからちょっと甘えれば、呆れたような顔で「しょうがねぇな」って。




きっと私は恭ちゃんにとって……妹みたいな存在なんだろうな。




だったら私は、最大限にそれを生かして恭ちゃんに甘えちゃうんだから。




…私ってずるいのかな?



………いいよね、これくらい。




私はきっと、恭ちゃんの恋愛対象に入ってない。




きっと私の恋が叶うことはないんだから。