嘘でしょ?
和樹に見抜かれてる?
どこまで見抜かれてる?
どうしよう…
怖い…
恐いよ…
あたしは学校を出ても、走り続けた。
白銀通りの商店街まで来ても、止まることなく走り続けた。
そして、こらしめ屋の前まで来ると、急いで鍵を開けて中に入った。
「どうしよう…。」
そうポツリと言った瞬間、じんわりと目に涙が溢れてきた。
本当にどうしよう…
嘘をついたって見抜かれた。
作り笑いしてるって見抜かれた。
バレてるの?
気付かれてるの?
あたしは、どうすればいいの?
でも、不安なあたしがいる一方で、どこか嬉しく思うあたしがいた。
気付いてくれた。
見抜いてくれた。
あたしの心の闇に、少しだけ気付いてくれた。
怖いと思う感情と、嬉しいと思う感情がごちゃまぜになって、わけがわかんなくなって、あたしはしばらく泣いていた。


