「あたしも知らないんだよね。ハァー…。」


「まじかよ!?ったく、どうすんだよ!」


「知らないよ!」


「何で知らねぇんだよ!アホ春花!!」


「うるさい!和樹もじゃん!!!」



和樹との言い合いで、つい声が大きくなってしまった。

木本くんが、



「どうしたんですか?」



と、こっちを見てきた。



「う、ううん!な、なななんでもないよ!」



笑顔をつくってみたけど、きっと顔が引きつっていただろう。



「そうですか?」



と、不思議そうに首をかしげると、木本くんは前に向き直った。


危ない、あぶない…


どうにかして、早く名前を思い出さないと!