こらしめ屋



「とりあえず、話が違う!って言われたな。けど、これは無実だろ?俺は確かに綾瀬財閥の裏事情をバラしてねぇ。」


「確かに。綾瀬財閥の裏事情は…ね。ま、屁理屈って言われたらそうだけど。」


「うるせぇ。そもそも、お前が考えた計画だろうが。」


「そうでした…」



ってことは、あたしが屁理屈人間?

いやいや、発案者はあたしでも、実行者は夏柑だ。



と、自分でも意味不明な言い訳をすると、話を戻した。



「それで、他に何か言われた?」


「あぁ。俺に詐欺の罪を被せるのがムリだとわかった途端、手の平を返したように助けてくれと言い出しやがった。放送局からの電話はくるわ、警察は来るわで大変らしいぜぇ。」


「呆れた。仮にもあたしの親なのに、情けない。」


「全くだぜぇ。娘はこんなにずる賢く育ってるっつうのによぉ。」


「ずるは余計。」


「当たってんだろが。ずる賢い、春花。」


「うるさいな。ずる賢くなくちゃ、こらしめ屋なんてやってらんないよ!」