事務所にあるおんぼろテレビをつけると、タイミング良くそのニュースが放送されていた。
「こちらが綾瀬財閥の会長である、綾瀬聡さんのご自宅です!ご覧の通り、各局の報道陣が押しかけ、大変な騒ぎになっています!』
マイクを握りしめた女子アナウンサーが、必死にリポートしている。
その背景には、大きく構える綾瀬家の正門。
「マジで大変なことになってんな。ザマーみろ。」
「本当だよ。春花をいじめた罰だね!」
「これからどうなるか、楽しみですね。」
「謝罪会見とかするんじゃない?ニュースチェックしとかないとね。」
「アハハ♪確かに~♪」
「ま、とにかく!これでこらしめ完了!お疲れ様でした!協力ありがとね。」
「どういたしまして!」
「じゃ、あたし行くとこあるから。各自解散!」
そう言い残して、あたしはこらしめ屋の事務所を出た。
そして、向かうは夏柑の探偵事務所。


