「それじゃ、帰ろうか。行こう、和樹、夏柑。」
「おう。」
和樹は短く返事をして、両親を睨みながら居間を出た。
きっと、いっぱい言いたいことがあるんだろうけど、今は我慢。
「では、失礼。」
夏柑は上機嫌で、居間を後にした。
あたしも、
「じゃね。あっ、新聞は毎日チェックしといてよ。」
と言ってから、和樹と夏柑に続いた。
そして、綾瀬家を後にしたのだった。
えっ?
今回のこらしめプランが呆気なさ過ぎるって?
なに言ってんの。
これは第一段階だよ。
お楽しみは、これからってわけ♪
夏柑とは途中で別れて、和樹とこらしめ屋の事務所に向かい、テクテク歩く。
和樹はまだ怒りがおさまらないみたいで、黙りこくっている。
「ね、和樹?」
「…なに?」
「あの…なんか、さっきは言いそびれちゃったけど、言い返してくれてありがとう。」


