「交渉…?」
「そ、そうだ。このことを黙っていてくれたら、100万やろう。」
「………。」
夏柑は黙って綾瀬 聡を見据える。
「じゃ、じゃあ200万でどうだ?」
「………。」
「250万!」
「………。」
「さ、300万!!これ以上は無理だ!」
その言葉を聞いて、夏柑はようやく、
「いいぜぇ。300万で手を打ってやる。」
と、言った。
それを聞いた綾瀬聡はホッと息をつく。
そして、使用人を呼び、急いで用意するように命じた。
夏柑は、その様子をニヤニヤしながら眺めていた。
計画通り。
しばらくすると、小切手が運ばれてきて、綾瀬聡はそれに金額を書き込み、サインをした。
「これで交渉成立だ。本当に黙っていてくれるんだろうな?」
手渡された小切手の金額を確認すると、夏柑は愛想よく返事をした。
「もちろん。綾瀬財閥の裏事情をバラしたら、死んでもいいぜぇ。」
「そうか。よかった。」


