「おい、そこの間抜け面2人。」


「へっ…?」


「へっ?じゃねぇよ。突っ立ってねぇで、とっとと行くぞ。」


「えっ?ってか、門…」


「もう、開いてるに決まってんだろ。」


「「……!!」」



どうやら、あたしと和樹の脳みそが、あまりの衝撃的光景を見てフリーズしている間に、夏柑は使用人を言い包めたみたい。


ちょっと見直した。

夏柑は、やればできる人なんだね。




そんなわけで、門をくぐり、正面玄関から綾瀬家内に入ると、居間へ向かう。



「作戦は、わかってるよね?」


「あぁ。」


「今回は、ほとんど夏柑に任せちゃうけど、よろしく。」


「任せとけ。ぜってぇ勝つ。」


「勝ち負けじゃないんだけど…」


「気にすんな。」


「まぁ、いいけど…。それと、和樹。くれぐれも夏柑の邪魔しないように。余計な口出し厳禁だから。今回は、特別におまけで連れて来たんだからね。」


「わかってるっつの。」


「着いたよ。ここが、居間。……行こう。」



そう言って、あたしは居間に繋がる扉を開いた。