「そういえばさ、さっきから言ってた、『作戦』ってなに?」



あたしがたずねると、海は和樹の方をチラリと見て、クスリと笑い、笑顔で教えてくれた。



「それはねぇ、和樹が考えたんだ♪」


「和樹が?」


「うん。事務所で春花の秘密を聞いた後かな?帰り道に…ね?私達に出来ることはないのかな…って。そしたら和樹がね、俺達もアメリカ行こう!って言ったの。」


「え!?アメリカ!?」


「春花が心配だから、こっそりついて行こう…って。だから、それは相当頑張らなきゃね、って話してたの。お金を貯めたりね?」


「そう…だったんだ。」


「うん!それでね、和樹って春花の性格をよくわかってるんだね?《あいつはぜってぇ、辛くてもその気持ちをムリヤリ押し隠す》って言って。それじゃあ発散できないでしょ?だから、きっかけをあげようと思ったの。私達がこらしめ屋に依頼するって形をとったら、引き受けてくれるんじゃないかなって。予想的中だね♪」