「じょ、冗談でしょ?あたしと杉崎の両親が…同じ?そ、そんなの…あるわけないじゃん!」
あまりの予想外な発言に、声が震える。
冗談であってほしいけど、嫌な予感がする。
だって、杉崎の瞳が見たこともないぐらいに真剣な、刺すような瞳だったから…
「冗談なんかじゃない。真実だ!」
「う、嘘…。…だって、名字も違うよ!?」
「杉崎は偽名。僕の本名は、綾瀬 四季(シキ)。次期、綾瀬財閥の会長だ。」
綾瀬…四季…?
聞いたことない。
「…けど、あたしには、兄ちゃんも弟もいなかったはずなのに!」
「……僕は養子だ。」
「……!!?」
よ…う…し?
両親は養子をとったの?
実の娘は捨てて、わざわざ養子をもらったの?
なんで?
意味わかんないよ…
あたしは、そんなに要らない子なの?
「春花、落ち着いて。これには理由があるんだ。今からちゃんと説明するから。」
杉崎…じゃない、四季が言った。
…理由?


