そんな会話をしていた時だった。
バン!という病院に似つかわしくない大きな音を立てて、病室の扉が開いた。
驚いて、扉の方に目をやる。
そこに居たのは…
「杉崎?なんでここに?」
そう、そこにはあの杉崎が立っていたのだ。
「俺が教えたんだよ。さっきの電話は杉崎で、春花の居場所教えろって言われてよ。」
杉崎の後ろに居た和樹が説明をしてくれた。
だけど、当の本人はそんなこと耳に入っていないみたいで、もの凄い剣幕であたしのベッドに近づくと、こう言った。
「両親が日本に来る。」
「へ?杉崎の両親?外国に居たんだ?」
あたしが呑気に答えると、杉崎は更に声を強くした。
「違う!僕の両親であって、春花の両親だ!!」
「えっ…?」
思考が停止する。
ちょっと待って。
どういうこと?
杉崎の両親であって、あたしの両親?
ということは、杉崎とあたしの両親は同一人物?


