怒り狂った宮武の動きがスローモーションに見える。



後ろで待機してた夏柑と冬瓜の動きも、凄く遅く感じる。







あっ…




やばいかも……







そう思った次の瞬間、お腹にチクリとした痛み。


そして、グイグイ押し込まれていく異物の感触を、お腹の中に感じた。




あたしの前には、血走った瞳で勝ち誇った笑みを見せる宮武。


狂気に満ちた表情。




お腹を触ると、生ぬるいドロッとした液体が、手にたくさんついてきた。





冬瓜が宮武に掴み掛かっているのが、倒れていく中で横目に見えた。




夏柑が必死にあたしの名前を呼んでる。


夏柑でも、そんなに慌てることがあるんだ。



あぁ、そっか。

あたし、ヤバイのか。




もう、ダメ…


まぶたが重くて、目を開けていられない……



「しっかりしろ!春花ぁ!!」



夏柑の叫び声を最後に、あたしは意識を手放した。