《ドスッ!!》
鈍い音と共に、宮武のお腹にナイフが食い込む。
一瞬、宮武の顔がギョッと固まり、静かに自分のお腹へと視線を落とす。
お腹に突き刺さったそれを見て、表情がグニャリと歪み、
「うっ…」
と、小さなうめき声を上げた。
作戦成功。
あたしは、苦しむ宮武のお腹からナイフを引き抜いて、笑顔でこう言った。
「なーんちゃってね♪」
宮武は、やっぱり訳がわかってなくて、お腹を押さえたまま、苦しそうにあたしを見上げた。
全てを知っているあたしにとって、その光景は、笑わずにはいられないものだった。
「自分のお腹、よぉーく見てみなよ。」
あたしが馬鹿にしたようにそう言うと、宮武は押さえていた腕をどけて、自分のお腹をもう一度よく見た。
すると、ようやく宮武は気づいた。
お腹からは、血の一滴たりとも出ていないってことに。


