空は、あたしの不安を映し出したように、どんよりとした曇り空だ。
8月の蒸し暑い空気が、うっとうしく肌にまとわり付いてくる。
こらしめプランを実行するには、あまり良いコンディションというわけじゃないけど、やると決めたからには完遂するしかない。
こらしめ屋の事務所で冬瓜と合流して、親和町の探偵事務所で夏柑と合流した。
そして、決戦の舞台である桜木町へと向かう。
桜木町に近づくにつれて、あたしの掌はじんわりと汗ばんできた。
いつも以上に緊張してる。
これから、あの殺人犯と闘うんだ。
大丈夫。
きっと、大丈夫。
プランは何回も練り直して完璧に仕上げたし、何度も読み直して復習もした。
あたしは自分にそう言い聞かせて、微かに強張っている足に力を込め、前へ前へと歩いて行った。
そして、遂に桜木町の集営団地近くまで来た。
前に1度来た時とは、心持ちが全然違う。
しっかりしなきゃ!


