「こんなの…危険ですよ!」
「そうだよ。すっごく危険。」
「じゃあ、どうしてこんな依頼を受けたんですか!?」
「依頼主がね、被害者の家族なんだ。復讐…したいんだって。可哀相だし、ほっとけない。あんなに辛い思いしてるのに…」
杉原さんの話してくれたことを思い出して、あたしは思わず下を向いて、唇をキュッと噛んだ。
事件の話をしていた杉原さんの瞳には、たくさんの涙があった。
「でも、もしケガしたらどうするんですか!?」
「そん時は、そん時だよ。」
「春花は、もっと自分を大切にした方がいいです!」
「いいんだよ。誰かの為になるなら、ケガぐらいしたっていい。」
あたしが強くそう言うと、渉は説得の方向から話を少し変えてたずねてきた。
「せめて、仲間にぐらいはこのことを伝えるべきじゃないですか?」


