こらしめ屋



「宮武って、あの…!?」



渉の耳にしっかりと届いてしまった、その名前。

一時期は、ニュースで大きく取り上げられてたから、知らない人はいないよね。


ほんと、やっちまった…

最終確認が終わったから、過去プランの所に片付けたのを忘れてた。


あたしは、言い訳のしようもなく、正直に打ち明けた。



「たぶん渉の想像通り。あの、5年前に起きた殺人事件の犯人。」


「だけど、確か犯人はまだ捕まってなくて…」


「捕まってないよ。未だ逃亡中。」


「じゃあ、どうして宮武を捕まえるプランがここにあるんですか?」


「………。」


「もしかして…」


「…その、もしかして。今回の依頼だからだよ。それ、明日実行するつもりのプラン。間違って、こっちに持って来ちゃってたんだよね。」


「このこと、和樹や海は知ってるんですか?」


「知らない。教えてないし。」



渉はショックで、口をわなわな震わせながら続けた。