「そんなにあるんですか!?」
「ありますねー。よし!それじゃ、整理開始しますか!」
渉のお茶がカラッポなのを確認してからそう言って、立ち上がった。
「ここがデータ管理の部屋。全部のデータが置いてあるんだ。」
そう言いながら、渉を奥の部屋へと案内すると、
「これ全部!!?」
と、驚いた顔をされた。
予想的中!
この光景を見て、驚かない人はいないだろう。
部屋一面に置かれた棚には、ファイルや紙がズラリと並べられている。
あたしでも、この部屋に入る度に圧倒されるもん。
同時に、ため息もつくけどね。
「さて、頑張ろうか。」
と、いうわけで、始まりました、大掃除!
もとい、データ整理。
「とりあえず、個人データから取り掛かろうか。」
「は、はい!」
渉は慣れた手つきで、パソコンをかたかた鳴らす。
あたしは横で、助手。
ファイルを取って来たり、それを読み上げたり。
時々、渉の超高速タイピングを眺めたりも。


