こらしめ屋



なんなの!?

本当になんなわけ!!?


こっちは、あんたのせいで呼び出されて、迷惑してるんだって。

昨日だって、あたしの秘密をバラすとか脅してくるし。



それなのに…

なんで心配なんてしてくるの?

今さらそんな優しさ、いらない。



でも……





「腕…びっくりしたな…」



ポツリと呟いて、まだ少し痛む腕に手を置いた。


あんなにヒョロそうなのに、あたしの腕を掴んだ手はとても力強くて、なかなか振りほどけなかった。


それに、あんな真剣な顔初めて見たし…



「気のせいだよね…」



さっき見た杉崎の顔は真剣で…

それに、なんだか苦しそうだった。





でも、あたしは、さっきの出来事を忘れることにした。

だって、考えても今のあたしじゃ到底 答えなんて出せない気がしたから…



「忘れよう!」



そう言ってガッツポーズをした時、お昼休みの終了を告げるチャイムが鳴り、あたしは小走りで教室へと戻った。