それでも杉崎は諦めなかった。
「泣いてた。なんで?」
「見間違いだって!ほっといてよ!!」
「ほっとけるかよ!」
そう怒鳴られた瞬間、腕をグイッと掴まれて、無理矢理 杉崎と向き合う形にされた。
「ちょっ…、なにすんの!?放してよ!」
腕をぶんぶん振ったりしてみたけど、なかなか振り切れない。
「はーなーせー!」
「『ほっといて』なんて言うなよ…。泣いた理由ぐらい教えろよ。」
「やだ。なんで、あんたなんかに教えなくちゃいけないの!?」
あたしは、そう叫ぶと杉崎の急所を思いっ切り蹴った。
「いっ!!?…つうぅ!!おま…それ反則!」
「知るか!あんたが悪いんだからね!このまま真っ直ぐ行ったら保健室だから!じゃあね!」
そう一気にまくし立てると、あたしは杉崎から逃げるようにして走って教室に戻った。


