こらしめ屋



「だ、大丈夫…?ってか、なんでここにいるの?」


「別に…たまたま通り掛かっただけ。は、春花…を見つけたから声掛けようとしたら、上から降ってくるし。」



本気で助けてくれたんだ。

でもまぁ、支えきれなくて一緒に倒れちゃったみたいだけどね。

杉崎は頭を打ったらしく、さっきからしきりに頭をさすっている。



「ごめん!それと…ありがと。」


「春花に感謝されるなんて…これは夢?」


「失礼な!ってか、早く保健室行った方がいいよ。頭打ったんでしょ?」


「打ったけど、こんくらい平気だって。」


「ダメだって!念のため行きなって。付いてってあげるから。」


「…わかったよ。」



杉崎はしぶしぶ承諾した。

あたしのせいで怪我しちゃったんだから、これくらいの恩返しはしないとね。

いくら相手が杉崎だからって、感謝の気持ちぐらい湧きますとも。


だって杉崎がいなきゃ、今頃あたしはどうなっていたか…