こらしめ屋



「は?そんな嘘、通じるわけないじゃん!」


「そうだよ!本当は付き合ってるんでしょ!?」



予想はしてたけど、やっぱり信じてくれない…


どうしようかと考える為に黙り込んだあたしに、怒ったリーダー的な子が目の前まで近付いて来て、右手を振りかざした。



「ちょっと!聞いてんの!?」



そう言って、バシッと頬を叩いた。


痛っ!


と思う間もなく、油断していたあたしの体は、グラリとよろめいた。






あっ…



やばい…






そう思った次の瞬間には、足が地面から離れ、さっきのぼった階段へと真っ逆さまだった。


驚く程、時間の流れが遅く感じる。


目の端に、青ざめている女の子の集団。

後ろには階段が迫っている。



もうダメだ…!



あたしは待ち構えている痛みを堪えるために、ギュッと目を閉じた。