言葉もない。

同じカトリック教会のシスターであるカタリナが聞いても、理不尽なまでの言い掛かり。

そのような横暴な発言を、ヴァチカンが総意として許す筈が…。

「待って下さいランスロット、私がヴァチカンに戻って直接この件について問い質して…」

「もういい」

カタリナの言葉を遮るように、ランスロットはアロンダイトの切っ先を向ける。

「もう遅いのだ」

「え…」

カタリナの前で、ランスロットは歯噛みする。

「ロンドンのとある小さなプロテスタントの教会で、ミサの途中に虐殺があった…ヴァチカンからやって来た白い修道服を身に付けた碧眼銀髪の幼いシスターによるものだと、生存者が語ったそうだ」