ふりだし恋のダイアリ―

放課後、私は約束どおりに体育館倉庫に向かった。


体育館に、近づいていくにつれ、男の人の声が聞こえてきた。


ガラガラ…


体育館の扉をあけると、愁太がいきなり私を抱き寄せた。


…いや、愁太じゃない。


誰だかわからない人の腕の中は、いつものふわっとかおる香水の匂いではなく、
タバコの匂いがした。


「…だ…誰!!?」


私は、愁太じゃないと気づいた瞬間、その人の腕を振り払おうとした。



必死に抵抗した。



しかし、体力も握力も何もかもない私は、男の人の力には勝てなかった。