列車が、一番屋敷に近くなった、カーブ。
スピードが落ちたことを利用して、オレは再び鋼の糸の弾丸を電柱に撃ちつける。
かん、かん!!
そして、そのまま勢いよくジャンプした。
跳び去り際に、列車を振り返る。
そこには、誰も、いなかった。
列車の中には、客も、運転手も、乗務員も、唯一人としていなかった。
・・・無人、電車?
その直後、背後から、どかぁあああぁん!!
という強烈な音ともに、熱風が襲ってきた。
さきほどまでオレが乗っていた列車は、瞬く間に、紅の炎を帯び、横転していた。
パチパチと、火の粉が舞い上がる。
事故、なんかじゃない。
計画された、オレを殺すための、罠。
オレは、電柱の出っ張りに足をかける。
ごうごうと燃え立つ炎で、うっすらと汗ばんできた。
「オレなんかのたった一人のために、よくここまで・・・・。」
おそらく、三津谷が指示したのだろう。
どうりで、駅にさえも人がいなかったわけだ。



